イノブタ事業に参加して
達夫小池さんは、上野村の出身じゃないよね。上野村はどうやって知ったの?
小池いや、それがもう。
達夫え、なんかあったの?
小池そうですねぇ(笑)。
自分はもともと東京の奥多摩にいて、青梅市、それから大学生になってから厚木に。
達夫その頃、上野村に来たことは?
小池社会人になって、バイクに乗ってよく上野村に来ていました。たまたま学生時代の知人の実家が近くで、遊びに寄ったんです。そうしたらそこのご両親から、「上野村でイノブタの飼育をする人がいないんだけど、銀ちゃん来ない?」って言われて。
達夫あっ!リクルートされた?
小池リクルートされたんです。で、その日のうちにイノブタセンター見に行って、採用担当者に紹介されて。
達夫イノブタは、猪と豚をかけあわせた、なんていうのかなぁ、とっても甘くて滋味豊かなお肉だよね。とくに脂が。
小池脂、美味しいです。
達夫もともとは、昭和43(1968)年にはじまったって聞いているけど。
小池その頃から始まって、平成21(2009)年には村営の「いのぶたセンター」で飼育するようになりました。
イノブタは普通の豚に比べてすごく手間ひまがかかるし、繊細なので、大事に育てています。
達夫その手間ひまが、臭みのないお肉を生み出すんだね。イノブタのお肉、村以外ではあまり見ないけど。
小池年間200頭しか生産していません。だから、村以外ではなかなか手に入らないんです。
達夫お肉は、JA上野村とかで買えるんだよね。イノブタを使った餃子とか、カレーとかも。
小池いろいろ工夫しています。販売は、道の駅上野琴平センターやJAマートでも買えます。
達夫いただきましたー。いやほんと、美味しくてご飯がすすむすすむ(笑)。
地元の特産品としてこういうものに目をつけ、40年以上も事業として続けていることに、上野村のすごさ、たくましさを感じるなぁ。
ところで、小池さんは元々、畜産を勉強してたんだっけ?
小池そうなんです。高校、大学と畜産を勉強していたんですが、最初は、畜産業って自分でやるのも設備投資が必要だし、社会勉強のためにも普通の会社の営業やってみようかと。結局大学を出てから3年3ヶ月、営業やりました。
達夫そうなんだ。で、イノブタの採用担当に紹介されて、もうそのまま上野村に?
小池いえ、そのときは面接だけしてもらって、「時期がきたらお願いします」ってことで。でも、1年経たないうちに上野村に来ました。当時は担当者も少なくて、いろいろ試行錯誤して、大変だったけど楽しかったですよ。
達夫当時の上野村の印象ってどうだったの?
小池「山だ」。
達夫うん。「山だ」。(笑)
小池バイク乗るには最高だな、ぐらいに思ってました。
達夫なるほどねー。村以外の人から見れば、そりゃそうだよね。